待ち受けカノジョ。
友美さんの店のミシンを借りて作っていた物が、やっと完成した。

「よし、カンペキ!」


これを持ってって…

頭の中でイメージを作り上げる。


うん、イケる!

きっと喜んでくれるだろうな



もう12時を過ぎてる。

家に戻ったオレは、そーっと玄関から入り、音を立てないように廊下をつま先で歩いた。


あれ?

リビングから光が漏れてる。

まだ誰か起きてるのかな?


チラッと覗くと、父ちゃんがレコードプレーヤーの前で呆然と立ちつくしていた。


「どしたの?」

「ああ、順平」

父ちゃんの手に持たれた、1枚の古いレコード。

「プレーヤーが壊れたみたいなんだ」

父ちゃんがONのボタンを押すけど、どこも動かない。


「ほとんど骨董品だからね、ソレ。今まで聴けたのが信じられない」

「そうだよな…」

めずらしく悲しそうな顔で、うなだれる父ちゃん。


「そのレコード、“ピアノ・ソング”?」

「ああ、そうだ。よく分かったな」

「そりゃそうだよ!」

ずっと聞こえてきてたんだから。

英語できないオレでさえ歌えるようになったっつーの。
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