待ち受けカノジョ。
「だいぶ古い洋楽だよね。いつの曲?」

遠い目をする父ちゃん。


「俺が高校の時にな…。好きだった子が、よくピアノで弾いてたんだよ」

「えっ!?父ちゃん好きな子なんていたの?」

「バカ、オマエ。俺だって好きになった女くらいいるぞ!」

ポコッ!

頭を軽く殴られた。


「当時の俺はチャラチャラ遊んでるテキトーなヤツだったけど、結構本気だったんだよ」


…本気?

この父ちゃんが?


「その子とは、2回付き合ったんだ。でも結局別れたな…。まぁ、俺のせいだがな」


『俺のせい』?

その言葉どこかで…


ふとあの日の映像が思い浮かんだ。


遠くに聞こえる波の音。

細い手からハラハラと床に落ちた手紙。

部屋の奥にあった白いピアノ。


ハッ!!

まさか。


「父ちゃんさ、友美さんの手紙って読んだ?」

真っ直ぐオレの目を見る父ちゃん。

「はぁ?なんじゃそりゃ。知らんぞ?」

これは、すっとぼけてる顔じゃない。


そっか。

そうだったのか…


ここにもまだ、過去に捕まってる人がいる。
< 267 / 321 >

この作品をシェア

pagetop