待ち受けカノジョ。
305号室のドアが開けられた。

「ハイ、ここがお客様の病室でございまーす!」


看護師さんの陽気なテンションのワリには、狭くて殺風景な一人部屋。


つまんね!

ベットと引き出ししかないじゃん。


「ここで1泊ね!」

「ふぁ~い」


気の抜けた返事をして車イスから降り、ベットに座った。


「後で晩ご飯持ってくるわね!それまで寝てて」

横たわるオレに布団をかけながら、看護師さんが思い出したように言った。


「あ、そうそう。私、成田愛理。アナタと同じ片岡高校の卒業生。よろしくね!」

ニイッと笑った顔が、漫画に出てくる“ピンクの魔人”そっくり。


「勝手に弟みたいな気がしちゃって、からかっちゃった。ゴメンね!」

「ああ、イヤ、いいんですけど…」

よくもないですけど…
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