たいむ あうと。
「悠!!いつの間に」
美加が驚いて声をあげると、悠はニヤニヤ笑った。

「何でいきなり仲良くしようと思ったんじゃろうな?あちらさん」
「…誰でもこの状況は危険だと思うだろう」
雅仁は冷静で、滅多に笑わない。
雅代を失った日から、最低限犠牲者を出さないように努力していた。
戦争も好まないが、向かって来る相手は容赦なく殺した。
それが正しくない事など分かっていたが、どうしたら良いか分からなかった。
同じ考えを持つ光典を見て、不思議な感情が芽生え始めていた…。

「でもいやだ!!」
龍が駄々をこねる。
これだけは譲れないとばかりに、雅仁を睨む。
この年頃の子供は自分の考え以外を認めようとしない。
勝手に決めつけて、何だか大変な誤解をしているよう…。
「お前らが反対か賛成かは関係ない。俺が決める」
「お父さん!!」
「龍、お前はまだ餓鬼だ。そのうち俺が何でこうしたか分かる日が来る。今は黙って聞いてくれ…」
雅仁は悲しそうな顔をして微笑んだ。
その珍しい表情に、龍は思わず涙をとめた。
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