たいむ あうと。
ーやはり、犯人は桜の一族ではないのか……。
それが分かって、少し安心した。

「何か分かりましたら、伝え…」
そこまで言うと、雅仁は言葉をとめた。
ーいや、とめたんじゃない。
全身に伝う激痛に、息をつまらせたからだ。





「きゃああぁ!!」
雅仁が下に目線を向けると、腹部に矢が刺さっていた。
ドクドクと血が溢れ出し、服が赤に染まっていく…。

光典が近付いて医療班を呼ぶ。
玲奈は口に手を当てながら簡単な手当てをはじめた。
「!?お前…っ!!」
光典は驚いた顔で、外にいる少年の姿を捉えた。
少年は弓矢を構えて、こちらを見ている。
何も思っていない、無表情な顔で。

「ご苦労様でした。サヨナラ」
ーそこに立っていたのは、琥珀だった。

「琥珀っ?」
亜子は隣を見る。
先ほどまで隣にいたはずの琥珀がいない。
いったいいつの間にあそこに…。
いや、それが問題なのではない。

「何で…!!?」
「父さん…!!」
龍は不安な目で雅仁を見る。
雅代のことを思い出して、顔を苦める。
そして剣を構えて、桜の一族に剣を向けた。

「やっぱりお前達は、敵だ!!悪魔なんだッ!!」
龍は奇声をあげて切りかかった。
その流れにつれられ、残る木陰の一員も襲い掛かる。
< 39 / 54 >

この作品をシェア

pagetop