Do you love“me”?

「あの美青ちゃんと、あんな航太がそんな風に言う子って、どんな子かなぁーってずっと会ってみたくて。でもね……」

「うん?」

「結婚式で初めて逢った時、美月ちゃんだって知らずに、一目惚れした!」

「へっ!?」

一目惚れ!?

何それ!!


「美月ちゃん、本当に嬉しそうにニコニコ笑ってて、最初は美青ちゃんの友達かと思ったんだ」

「そうだったんだ」

「うん。何故か俺、家族気分になっちゃったもん」

「家族気分?」

「“うちの航太と美青ちゃんの結婚、そんなに喜んでくれてありがとう!!”って」

その時の事を思い出したのか、茶色い瞳が僅かに細められる。


「でもそれが美月ちゃんだってわかってから、もう一回やられちゃった」

「え?」

私は、たくさんの事を知らないままで過ごしていたのかもしれない。


「美月ちゃん、言ったでしょ? 美青ちゃんの事“お日様にも愛されてる”って」

「言った……かも?」

「言ったんだよー」

彼が、こんなにも私を見つめていてくれた事も知らずに。


「その言葉もその時の表情も、あんまりにも可愛くて、やられたよねー」

そう言って、またギューッと腕に力を込めた稜君は、ちょっと照れたように言ったんだ。


「知らない振りしたけど、ホントは美月ちゃんの名前、知ってたんだよ?」

「えー。何でそう言ってくれなかったの?」

「だって俺、基本シャイだし。それに……」

シャイだとは到底思えないけれど、取りあえず今はそれはスルーする事にして。


「“それに”?」

「知ってるのバレたら、俺、ストーカーみたいじゃん!」

私の体を抱きしめたまま、彼はまた楽しそうに笑った。


稜君の言葉も、勿論そうなんだけれど……。

頬を寄せる胸から直接伝わる彼の体温や振動も本当に心地よくて、自分でも驚くほどにホッとする。
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