Do you love“me”?

「えっ!? りょ、稜君?」

何事かと眉根を寄せた私を見て、更に笑った稜君は、そのまましばらく笑い続け……。

数分後、呼吸はまだ荒いものの、やっと笑うのをやめた。


「はぁー……っ!! 苦しいー!!」

「だ、大丈夫ですか?」


思わずそんな言葉をかけた私に「いやー……。久々に、こんなに笑いましたよー!」と、彼は何やら楽しそうに返事をした。


そして――

「やっと、ホントの美月さんが見られた!」

ポツリとそう言って、今度はどこか嬉しそうに笑ったんだ。


その表情に、一瞬跳ねた心臓。


「え?」

思わず聞き返した私に、“いえいえ。こっちの話しです!”と告げると、今度は私の顔をちょっと覗き込んで、いつものようにニッコリと笑う。


「間に合って、よかったです」

「……っ」

本当にホッとしたような彼の顔に、自分の顔がカッと赤くなるのを感じて、思わず頬に手を当てる。


何だろう。

これって“吊り橋効果”的なもの!?

よくわからないけど、心臓の鼓動がどんどん速くなっていく。


「えっと……は、早かったんで、ビックリしました」

それを誤魔化すように、悟られないように、少しだけ俯いた。

でも本当に、十分で来ると言った稜君が、実際にここに到着したのは、きっともっと早くて。


やっと心臓も落ち着き始めて、オズオズと顔を上げた私に「今日はラッキーでした」と彼は謎の言葉を返す。

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