僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?
「あら、見違えたじゃない」
ベンチに座っていた彼女が僕を見上げた。
「じゃ、行きましょう」
僕は、彼女に言われるがまま、その後を追った。
彼女はとまどうことなく駅前のファミレスへと入っていった。
昼をとっくに過ぎたこの時間帯、店内は空いていた。
彼女は店の奥の四人かけの席へむかって、真っ直ぐに歩いていった。
「ほら、こっち」促されて席についた。
「ねぇ、いつご飯食べた?」
「一週間……くらい前です」
僕は恥ずかしくて、小さな声で呟いた。
「そう……じゃ、おじやかうどんかな」
彼女は一人、メニューをどんどんとめくっていった。
「よし、これ。きのこ雑炊でどう?」
彼女が指差すメニューの先をチラリと見て、僕は小さく頷いた。
彼女がテーブルの呼び出しボタンを押すと、直ぐに店員がやって来た。