僕の女神、君の枷~幸せって何だろう?



「すぐに揚げますから、お二人で先に始めててくださいね」



玄関でエプロン姿の彼に迎えられた私達二人は、お誕生会に呼ばれた子供のように、緊張して席についた。

目の前の食卓の上には、大鉢に盛られた筑前煮と春菊の胡麻和え、カリカリに炒めたじゃこを乗せた冷奴。

そして大ぶりなぐい呑み。


「あ、日本酒熱燗します?」


私達の買ってきた一升瓶を抱えて、台所から顔を覗かせ彼が聞いた。


「冷で結構です」


そう答えた邦子の声は、年甲斐もなく上ずっていた。
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