青空ライン *Third Story*
「杏ちゃんが充分って言ってるんだからもうそれでいいんだよ。
これ以上希美がやる必要はないし、女子達に全部教える必要はない。
後はすべて杏ちゃん次第。」
しーん…と誰も喋らない空気が出来上がっていて
廊下にも教室にもたくさんの生徒がいるはずなのに誰も動かずこっちに視線を向けてくる。
大きく息を吸った。
深呼吸に近いくらい。
これを言ったらこのモヤモヤはどこかに飛んでいくかな?
「あたしは確かに端から見たら…
どんな理由があったって山下先輩と付き合うためにサッカー部のマネージャーになったと思うかもしれません。
でも、もうそれならそれであたしは気にしません。
あたしは分かってくれる人がいればそれでいいから。
だけど、それは過去の話です。
復縁することも希美はあんな風に言ってくれたけどあたしにはそんな自信どこもありません。」
だって耐えられなくなって自分から手放した訳なんだから。
ごめんね、希美。
せっかくあたしのために言ってくれたのに。
でもこれだけは言わせて。