青空ライン *Third Story*
「…そうなんだ。夢を見ないくらい思いっきり寝てたから気付かなかったよ。」
かなり苦しい言い訳…
希美にこんなこと言ったら絶対にバレてて聞き出されるな。
目だってまだ腫れているし……
ただただお母さんにバレていないか心配だ。
「本当はせっかく優くんが来てくれたんだから無理矢理にも叩き起こそうと思ったんだけど
いきなり来たこっちが悪いのでまた来ますって言って帰っちゃったわ。」
会いたくない。
今度会いに来た時は間違いなく別れ話だ。
こんな今でも優のこと嫌いになんかなれないよ…
好きで好きで嫌いって言葉なんか見つからないのに。
「…そっか」
あたしは急に食べる気をなくしてスープだけ飲むとごちそうさまと言って
お母さんが全然食べてないじゃない!って背後から言っている声を無視して
バッグを肩にかけて、靴を履くと何も言わずに家を出た。