君色
食事が終わって、私は洗い物だけでも手伝おうとしたが、「お客様だから」と言われキッチンから追い出された。

仕方なく私は近くのソファーに座ると、手持ちぶさたで近くにあったクッションを抱える。

しばらくするとエプロンを外した伊織さんが戻ってきて、私の隣に腰をおろした。

「お腹いっぱいになった?」

「はい。もう本当においしかったです」

「そう、良かった・・」

そう言いながら、伊織さんの手が伸びてきて、私の髪を撫でた。

「・・・伊織さんがあんなに料理上手だと、私の料理食べさせるの怖いなぁ・・・」

そう言ってうつむくと、伊織さんの腕が肩に伸びてきて優しく抱き寄せられた。
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