Primo Amore(初恋)
「あのさ・・・これから時間ある?」

突然の慧くんからの誘いに、私は驚いて声も出せずにいた。

「忙しいんならいいんだ」

そう言いながら、慧くんはお店を出ていこうとした。

「ま、待って!慧くん」

私は授業をさぼってしまおうかと思ったけど、学校だけは疎かにしないという自分のポリシーに反するからと素直にこう返した。

「今から1限だけ授業があるけど、それで終わりだから2時間後だったら時間あるんだけど」

幸い今週はトーコ先生のところのバイトも入れていなかった。

「そう?じゃあ、待ち合わせ、しようか」

一瞬だけ慧くんの瞳が見えて、それがふんわりと細くほほ笑んだのが見えた。


うわ・・・


その表情があまりにも柔らかくて、私は思わず顔を真っ赤にしてしまう。
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