時計兎
久遠はアパートの物影に身を潜め警官の動向に注意を払う。

彩夏を抱えたまま。




――ハァハァ





その荒い息が私の顔にかかる

彼の息は湿っていて、私の顔を優しく濡らす


人の温もりに触れている実感――





フフッ
こんなこと考えて…
私はもしかしてロマンチストなのかな?

彩夏は心内で微笑した。
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