さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
決意
「今日もよろしくお願いします!」
原田さんとの手合せ以来、私は毎日稽古に顔を出すようになった。
いくらブランクがあるとはいえ、原田さんのあの笑みはどうしても悔しかった。
「…女だからって容赦はしねえからな?ここに来るからには隊士と同じ稽古を受けてもらう。」
土方さんは相変わらず冷たく言い放った。
「もちろんです。」
厳しい練習に耐える体力がある自信はある。
現代にいた頃通っていた剣道の教室は私や翼をはじめ、何人も全国大会出場させるほどの名門で、その練習量は相当なものだったから。
「ならば竹刀を持て。」
土方さんの言うとおりに竹刀を握って、他の隊士さんの間に入る。
「おめえ、女のくせによく稽古を受けようと思ったな。後で後悔しても知らねえぞ?」
いいたいなら、勝手に言っていればいい。
そう言って私を馬鹿にしてくる人もいるけれど、いちいち気にしてなんていられない。
「素振り始めっ!」
土方さんの掛け声で鬼の稽古が始まった。