さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
「言うわけないだろ…。」
思い出してまた気が沈む。
「はあ…。」
無意識のうちに、ため息をつく癖が出来てしまったみたい。
「話したらちょっとは楽になるかもしれないよ?」
心配そうに篠原は覗き込んできた。
俺の状態の深刻さにやっと気付いたのか、今度は心配そうな声色を出した。
こいつ変声期終わってんのかな?
そう思わせるくらい、女みたいな柔らかい声。
「教えるわけないだろ。」
しつこく聞いてくる篠原にそっぽを向いて悩んでいるふりをした。