さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
烝の手がブラジャーのホックを器用に外す。
初めてな筈だろうに、私に疑問をもっていない。
普通だったら見たこともないこの服装とか…ブラジャーとか、驚くだろうに。
「150年後にはそんな製品があるんね。」
「!」
どうしてそれを?
知っているのは兼部の人達だけのはず。
あの場に烝は確かにいなかった。
烝は私を見て口角を上げた。
「俺は忍びやから。」
忍び。
なんとなくその単語は理解できる。