Vrai Amour ~斗真の場合~
「あれ?トーマ先生?」
その声はいつも追いかけまして来る女子の一人。
今日はうまく撒いたと思ったんだけど・・・
「・・んっ」
反射的に声をあげそうになる美空の口を手のひらで押さえる。
「しっ!」
そのまま抱きしめるようにしてカーテンを巻きつけた。
「あれ~?おっかしいな・・・さっきこの辺に・・・」
女子生徒の声を聞きながら、俺はまっすぐに美空を見つめた。
美空は恥ずかしそうに俯いたまま、なるべく身体がくっつかないようにしている。
ああ・・・
そうだ・・・
初めての夜、有絵もこんなふうに怯えていた。