Vrai Amour ~斗真の場合~
そして、密着した美空の心臓はまっすぐに俺に伝わるほどドキドキしていた。




「・・・僕のウワサ、知ってる?」



普段、教師である俺は少しだけキャラを作っていた。

イケメンなのに、怪しいウワサ。

それだけでも怪しいのに、ガラが悪かったら真面目な美空は近づいてこない。


俺は口を塞いでいた手の指先で、少しだけ震えている美空の唇をなぞった。


「・・・その顔は男を知らない顔だね」


そう言って微笑むと、美空はこれ以上にないくらい顔を真っ赤にして俯いた。


「僕が、教えてあげようか」

そう続けても美空は逃げなかった。

俺はゆっくりと美空のあごをあげ、その唇に自分の唇を重ねた。


「唇、柔らかいな」

そっと唇を離して美空の顔を見る。

ぎゅっと閉じられた瞳は開くことなく、俺の唇を待っているようだ。
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