漆黒の黒般若
「では、行ってくるぞ。総司のことを頼む」



数日後斎藤さんは池田屋事件で生き残った長州制圧のためしばらく屯所を開けることになった



「はい、任せてください…。斎藤さんも頑張ってくださいね」


「あぁ、あんたも総司の看病で夜ふかしなどするなよ

俺もなるべく早く帰る…」


「はい、待ってますよ」



部屋を去っていく斎藤さんの背を見てなんだか寂しくなった


最近ふと考えてしまう



もしかしたらこれが最期の会話になるかもしれない


最期に見る顔かもしれない


大切な人はいつ目の前から消えるかわからない


人の命は弱々しく
実に儚い代物だ


そんなものはふとした瞬間には消えてしまう



少なくとも彼らは命を大切にする方ではない



だからとても心配なのだ


どうか斎藤さんが無事に帰ってきますように…


もう大切な人を失いませんように…



いないとわかっていながらも最期のつては結局神頼みであった



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