漆黒の黒般若
やっと落ち着いたあたしは着替えも終わらせ沖田さんの部屋へとむかった



小十郎にはちゃんとお礼も言ったがあたしの涙のせいで着物はきがえるはめになっていた


「本当にごめんね…」


「いいよ別に。そのかわり、今度俺が困ってたら助けてくれよ?」



「うん、わかった。じゃあ行くね」



「あぁ」



小十郎はいい人だ


今まであたしは無意識に彼を裕として見ているところがあった



だから裕と違うところを見つけると少し違和感を覚えたりもしていた



しかし彼は裕ではないのだ


あんなによくしてくれているのにあたしは今まで彼自身を見ようとしていなかった


その事実にあたしは自分の中にある黒い部分をかんじた



その黒いものがさっきの涙と一緒に流れ落ちていった気がした



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