この手でキミを温めさせて【短編】
──昨日。
俺は確かにマミといい感じだった。
ポケットの中で手を握って、目を見て、想いを伝えようとしたんだ。
『俺は、マミのことが──』
そう言い掛けた瞬間。
『大丈夫かー!!??お前らー!!』
──ズザァーッ!!
『ぶはぁッ!!??』
カッコ良く滑り降りてきた松岡修造…もとい熱血会長が、俺の顔面に雪をぶっかけてストップしたのだ。
雪を払うと凄い形相をした会長と、もう一人の先輩がそこにいる。
『全然戻ってこないから捜しに来たんだよ!
大丈夫か!?心配したぞぉー!!』
会長はそう叫びながら、俺とマミをギューッと抱きしめた。