ルームシェア
【てことでさ、しばらくは誰か友達の家でも泊めてもらってくれるかな?】
「なにそれ??
なんて説明すればいいのよ!?」
大学に入って早3ヵ月。
お昼や授業を共にする友達はいても、あたしの家の事情を知ってる人は誰一人もいない。
だから、そんなこと言われても困る。
【てことで、また連絡するね~】
「あ、ちょっ!?」
一方的に切られた電話。
耳の奥では無機質な音だけが聞こえる。
いつも自分勝手。
勝手に変なことをして、娘のあたしを振り回すお父さん。
いつかはやるだろうとは思ってた借金やお母さんの家出。
気付いたときには、離婚してたし。
あたしはお父さんが心配で一人家に残ったけど。
それがこんな風に仇になるなんてーー!!
「もーー、どうすればいいのよ!?
誰か友達の家でも泊めてもらってくれるかな?
ふざけんな!!何日もそんなことできるわけないじゃん」
貯金だって、そんなあるわけじゃない。
どこかに泊まることなんてできない。
だからと言っても、グループの子達はみんな実家暮らしだし。
せめて独り暮らしの子でもいたら。
「じゃあ、俺ん家に住む?」
――へ??