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学校だと、雄大の話をされるからどうしても考えてしまう。

だから、最近はよくバイトに入っている。




あの日から、気付けば2週間が経過している。

なのにいっこうに、溝というかなんというか、あたしたちの間でできたぎくしゃくした空気は消えない。


だからなるべくだけど、避けてるのかもしれない。


て、せっかくバイト入ったんだから、考えてどうするんだよ、あたしのばか。


「いらっしゃいませ~」


気づくとおやつ時になり、お客様が増え始めていた。

あたしは忙しく動き回り、時間が早すぎるのを感じながら、ただひたすらバイトに没頭する。


そうして一日をやり過ごす。


「ありがとうございました」


今日、最後のお客様が帰ると、あたしはcloseの札を外にかけ、扉を閉める。


やっと終わった~。

なんて、伸びをする。


「おつかれ、香織ちゃん」


はい、どうぞ。と、余り物のケーキを3つほどもらった。


雄大、甘いもの好きかな?


なんて考えながら、あたしはさっさと着替えを終える。


「あ、香織ちゃん、途中まで一緒に帰ろ?」


と、タクマ先輩の誘いで駅まで一緒に帰ることになった。













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