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「とりあえず、俺のこともも雄大って呼べよな?」
意図はわからない。
何であたしなのか。
あの時たまたまあたしが困ってたから?
それとも他に理由が?
まぁ、いくら考えたって、今の今まで接点のなかったあたしたち。
そんなことも分かるわけがない、か。
「ほら、行くぞ」
「へ??」
「“へ??”じゃねぇよ。
お前の物買いに行くぞって言ってんの」
「え、ちょっと、待ってよ!?」
あたしの有無なんてお構いなしに、スタスタと玄関に向かい、あたしが後から鞄をもって向かうと、すでに先を歩いている。
なんて俺様男だ。
アイツの近くまで走っていく。
「なに、息切らしんの?」
バカにしたような表情。
ほんとー、なんなのこの男は!?
「…てか、あたし、お金ないんだけど。」
「それくらいなら出すから、」
「は!?」
表情なんて変えずにさらっと言う。
彼氏かって!!
いや、彼氏?なんだけどさ、一応は。
でも、なんで?
そこまでする意味があるの?
アイツの考えてることがいまいち分からない。
てか、お金必要なんじゃないの?
そんな疑問を抱えながら歩いていると、あたしたちは大学近くのショッピングモールに到着した。