ミルフィユと猫被り
ボス面でちょっと生意気でたまにかちんとくる奴だったけどいい奴で気のあう友達だったのに。
さっさと彼女作りやがって俺らとは一緒にいねー。
ちょっと最近、冷たい。
「おせーょ、バカ!」
「あ?」
待ちくたびれた灯貴がウィンナーを口に入れながらもごもごしている。
屋上には少し冷たい秋風が吹いていて、灯貴が食ってる弁当が冷たそうだ。
「お前なんか最近シケてんな?」
「…別に?なんで?」
「恭がいなくなってから、お前、つまんないよなって言ってんの。」
俺は、少しうめきながらご飯を口に入れた。
風で冷たくなってきたご飯が喉を通るのを感じながらため息を吐いた。