ミルフィユと猫被り
と、今日提出のレポート用紙がいなかった。
「どーぞ。」
「あ、どーも…」
レポート用紙を持った恭と数秒、見つめあってしまう。
あたしは、もう、気が動転して、振りすぎたサイダーのように溢れてしまっていた。
「都笠さん?!」
驚く疾太の声を後ろに感じながらあたしは、走ることしか出来なかった。
だって、あんな近くで愛しかった人に瓜二つな人間を見るのは失恋をした人にショックが強すぎる。
どうしよう…、どうしよう…!
「都笠さんってば!」
ぐいっと、誰かがあたしの腕を、力強く引っ張った。
あたしは、ただただ、無我夢中に走ってたもんだから突然の出来事に体ごと後ろに吹っ飛んだ。