スノー・センチメンタル
ポタポタと頬を伝って落ちる雫が、ハンドルや履いているスカートに染みを作る。


「ちいちゃん、泣くなよ。5年間、俺居なくても頑張って来たんでしょ? よくできました」

言ってニッと両口角を目一杯上げて笑う。


「あっくんなんか居なくたって、大丈夫だよ、平気だよ。これからも頑張れる、頑張って生きていく。そんで、残ってる幸せ、ぜぇーんぶ使い切ってから死んでやる。だから――


だから、もう心配しなくていいよ」




あっくんは、天国へ行く途中、寄り道して私に会いに来てくれたんだ。

学校から帰る途中、友達の家に上がり込んで遊んじゃって、夕方になっても帰って来なくて、それでよくお母さんに怒られていたあっくんらしいよ。


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