スノー・センチメンタル
「千羽?」

名を呼ばれ、泣き濡れてぐしゃぐしゃだったけれどお構いなしに、ゆるゆると顔を上げた。


私の大声に気付いたらしい母が、玄関先まで出て来ていて、心配そうにこちらを眺めていた。泣き腫らした真っ赤な目が酷く痛々しく映る。

そしてその隣には、久々に見る父の姿も……。



「ごめっ、なさいっ」

しゃくり上げながらも謝った。何もかもが、ただ、申し訳なくて。



母は弾かれたように私に駆け寄った。私のすぐ傍らに両膝を落とし、そして、ぎゅうっと思い切り抱きしめてくれた。


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