おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 俺達はエスカレータで3階に上がって行った。俺の買い物は日用品や台所用品で、そういった物の売り場は1階や2階というのが相場だが、それは後回しにし、上から順番に見て歩こうと思ったのだ。もちろん有希のために。


 3階に着くと、有希がギュッて感じで俺の手を握った。俺がハッとすると、


「迷子になったら大変だから」


 と有希は上目遣いで言った。


「そ、そうだよな?」


 そう言って俺は有希の小さくて柔らかい手を握り返した。力を入れ過ぎないように気を付けながら。


 女の子の手って、こんなだったか? まるで子どもの手みたいだな。

 女の子と手を繋ぐなんて、いったいいつ以来だろうか……。高校の時か? だめだ、思い出せない。それくらい俺には久しぶりの事で、恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。


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