彼女志願!
そして圧巻だったのは、二階に並べられた色とりどりのシューズたちだった。
廊下、応接間、寝室。
一つ一つ、絹のクッションの上に並べられ、ガラスのケースに飾られたそれは、宝石とみまがうばかりの美しさと、ある種の迫力、威厳に満ちていた。
この靴たちの向こうに、物語が見える。
たとえばそれはお姫様だったり
靴職人だったり
レディだったり……
ごくごくふつうの、ショーウィンドウの前にたたずむ、女の子だったり……
「――すばらしいです……本当に」
本当によいものを見ると、当たり前のように涙が出る。
寝室に飾られていた、アンティークビーズを一粒ずつ縫いつけたルームシューズの前で、そう口にした瞬間
胸の奥から突き上げてくるような熱い感情にめまいがして、足から力が抜けた。