彼女志願!

シュン、と小さくなりながらも、言い訳のような言葉を口にしていた。



「中学生の恋なんてハシカみたいなものです」



きっぱりと言い放つ穂積さん。



「え~そうかなぁ……」

「そうです。それに僕には妹がいますので、妹と同年代はちょっと」

「妹さんがいるんですか?」



それは初耳。

脳内の穂積メモに「妹あり」と書き付けた。


おつきあいを初めて、この穂積メモに書くことが増えて、すごく嬉しい。


だけどもっと、もっと知りたいって、思いは日々貪欲になっていく。


過去だけじゃなくて。


たとえば……

誰も知らない彼の顔を、見てみたいとも、思っている。


怖いけど知りたいんだ。



「ちなみに今、妹さんはなにをされてるんですか?」

「春から新社会人で、一ノ瀬ホールディングスにつとめることになったようです」

「うわぁ、すごーい。優秀な妹さんなんですねぇ~」



世界有数のエクセレント企業の名前をあげられて、ものすごく感心してしまった。

きっと穂積さんに似て『クールビューティーで出来る女』に違いない。



「でも……春から社会人ってことは、私と同い年……?」

「そうですね。僕の五つ下なので、凛先生と同学年です」

「――」

「先生?」

「あ、いえ……」



ついさっき『妹と同学年はちょっと』って言ったよね?


じゃあ私は……???




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