彼女志願!
「――誘ってくださってありがとうございます。楽しかったです……ではまた」
「先生」
玄関で頭を下げる私を見て、穂積さんが閉じかけたドアに手をかける。
「あなたが今何を考えているか、手に取るようにわかります」
「――」
彼の静かな声に、ドアノブを握った手から力が抜ける。
それは、甘くて苦い、そんな指摘。
同時に、穂積さんはドアの中に体を滑り込ませ、玄関の中に入ってきた。
彼の両手が私の体を抱き寄せる。
すんなりと彼の腕の中に閉じこめられて
じわーっと、体全体に甘いしびれが広がる。
おそるおそる、彼の背中に両手をのばすと、私を抱きしめてくれる穂積さんの腕に、ほんの少し力がこもった。