彼女志願!
「どうして手に取るようにわかるんですか……?」
「それはあなたが実に単純明快な思考回路の持ち主で、なおかつ嘘がつけないタイプだからですよ」
彼の手が、私の頭の後ろをなで、それからあごさきに指をかけ、持ち上げる。
猫の機嫌を取るように、指先があごの下を撫でる。
「妹と同年代がダメだったのは昔の話です。今はもう、あなたは成人している」
「――はい」
「セックスしたって、淫行とは言われないでしょう」
「――!!!!」
穂積さんは、ビクッと直立不動になった私を見て、にやりと唇の端を持ち上げる。
悪の総統並に、悪い顔だ。
だけどそれはとても魅力的でもあって……心臓に悪い。
「おやすみなさい、凛先生」
「は、はい、おやすみなさい……」
ドアが閉まり、穂積さんの足音が遠く離れていく。
「ふわぁっ……!」
奇声をあげつつ、その場にしゃがみこんでしまった。