彼女志願!
「大変って、なに?」
イヤな予感に思わず後ずさる私。
けれどアキは、走ってきたのか息を整えながら、衝撃的な一言を口にした。
「ほづみんが、女といた」
「――え」
「しかも美人」
「――い、妹さんじゃない? 私と同い年の妹さんがいるって言ってたし……会社のひととか、作家とか、いくらでも女の人はいるじゃない」
しどろもどろになりながら、首を振る私。
「いや、そんな雰囲気じゃなかったし。ほづみんより間違いなく年上の女だったから、妹でもないよ」
「雰囲気って……」
「少なくとも会社の人と打ち合わせとかそんな雰囲気じゃなかったの!」
「じゃあ打ち合わせの作家さんじゃ?」
作家には、一般的な目で見ると雰囲気が変と思われるような、変わり者が多いのも事実だし。
「作家とホテルで会わないでしょ――!!!!」
現実から目を逸らそうとする私を叱咤する、アキの叫びに――
「ホテル!?」
一気に目の前が真っ白になった。