彼女志願!
「穂積さんのばかっ! 浮気者! うんこ!」
ソファーの上のクッションをつかんで、穂積さんに投げつけると、彼はクッションをひょいと身軽によける。
そしてクッションは、サイドボードのガラスの靴をモチーフにした、お気に入りのプリザーブドフラワーに当たって、ゴトン、と床に落ちた。
花が欠けて、ぱらりと舞う。
気に入ってたのに!!!
何もかも穂積さんのせいだ!!!
「ううっ……!」
泣かないように唇を引き締めたけれど。
悔しくて情けなくて、また涙がぼろぼろとこぼれた。
「――成人女性の口からそんな言葉が出るとは……幼稚園児ですか、あなたは」
私の逆ギレ&言いがかりに、穂積さんは苛立ったように眉を寄せ、中指で眼鏡を押し上げる。