彼女志願!
「私が彼女にしてくださいって言ったとき、穂積さん、担当だから、私のために受けるみたいなこと言いましたよね……!
あのときからおかしいって、本当はわかってたのにっ……だけどあとから、元々興味はあったからなんて、適当な理由つけるから、だまされてた……!
結局、理由なんてなかったんでしょ!? 舞い上がってる私を見て、面白かったからからかってただけなんでしょ!?
キスしないのだって、本当は、ただの予防線で、誰かに不適切だって言われたら、私が勝手に穂積さんのこと追いかけ回していたっていいわけにするためでしょ!?
そりゃ、私は勝手に好きになって、勝手にずっと憧れて、好きになった方が負けかもしれないけど、だからって、こんな目にあってもいいなんて、思わないっ!
こんなことなら彼女志願なんてしなければよかった!
ただの編集と作家だったら、ただ一方的に憧れているだけだったら、こんなに傷つかなくて済んだのに!
私の妄想の中の穂積さんは、私をこんな風に苦しめたりしないのに……!」
『単純明快な思考回路の持ち主』である私なんか、穂積さんからしたら、赤子の手をひねるがごとく、だったろう。