彼女志願!
続けてバスルームを出ると、穂積さんがタオルとドライヤー片手に待ちかまえていた。
そして髪をしっかりと乾かしてもらい、ダイニングで彼がいれたハーブティーを飲む。
にしても、いきなりなんで?
いたれりつくせりすぎて訳わかんないんですが……。
「穂積さん、あの、すごくうれしかったんですが、どうして急に、こういうこと……」
すると穂積さんは、少し遠い目をして、ハーブティーを口にした。
「――今まで僕は、まじめに女性とつき合おうと思ったことがなかったんです」
「はい」
思ったことがない、と言い切るあたり、すごいなぁと思うけれど、これが穂積さんの本心であることには間違いない。
「ですから、本気で凛先生とつき合おうと決めた以上、僕が今まで女性に対してできなかったことやってみようと思いまして」