彼女志願!
もう、穂積さんのお仕事の邪魔、できない。
「はい、大丈夫です。今までボツになったこと、たくさんあるじゃないですか。だから、大丈夫ですよ。じゃあ、お仕事がんばってくださいね」
『――ええ……』
明るく言って、そのまま携帯を切る。
「――」
切った瞬間、じわーっと涙が浮かんだ。
くやしい、くやしい、くやしいっ……
気が付いたら、翡翠社から逃げるように走り出していた。
ここに来るときはあんなにきれいに目に映った景色も
涙でにじんで、見えなくなっていた。