彼女志願!
「これ、さっき来た理恵ちゃんが持ってきてくれたのよ。ほんとに気が利くんだから。あんたもあっちで挨拶しなさいよ……ってパジャマじゃないの!」
「――ごめん。ちょっと熱っぽくて……」
気まずくてうつむく私。
「まっ、やっぱり。傘も差さずに飛び出して、風邪ひくなんて、本当に萌はバカなんだから」
お母さんはプリプリと文句を言いつつ、お湯を沸かし、とっておきの頂きもののマリアージュフレールの缶を出して、お茶の用意を始める。
「萌、カップ出して」
「うん」
本当はすぐに立ち去りたいと思ったけれど、タイミングを失ってお茶の用意を手伝うことになった。
そこへ下のお姉ちゃんがやって来る。