彼女志願!
「そんなわけないじゃん」
私が即答すると「あらそう……」と残念そうな顔をされた。
「いつか萌の本探して読んでみようかしらね」
「いや、それはちょっと……」
とりあえずは小説家を続けること、認めてもらえたようで、気持ちは嬉しいけれど、それだけは勘弁してほしい。
ぬるくなったコーヒーに口をつけながら、首を振る。
「――萌」
謝った後は沈黙を守っていたお父さんがゆっくりと口を開く。
「お父さんとお母さんはな……萌が東京でひもじい思いをしてるんじゃないか、意地っ張りだから、助けてほしいって言い出せないんじゃないか……家に帰ってくれば、お父さんたちが守ってやれるのにって、思ってた」