彼女志願!

「――穂積さ……」



彼の名前を呼びかけた唇は、穂積さんによってふさがれてしまった。


声も出せないほど驚いた私だけれど

穂積さんは私の呼吸すら上手にコントロールしてしまう。


目を開けたままの彼がゆっくりと頬を傾けると、重ねた唇ごしに、とろり、とアルコールが注ぎ込まれた。


冷酒はほんの少しの量なのに、穂積さんの舌が私の口の中をかきまわし、なぞり、なぶっている間に、体内のアルコール度数が増しているような、そんな感覚に陥る。



よ……酔わされちゃう……


なんて頭のすみっこでは抵抗するんだけど、体は言うことを聞かない。



結局口の中の冷酒の味がなくなるまで深いキスを重ねた後

穂積さんはニヤッと笑って、唇を外した。



「お蕎麦がのびてしまうので、この続きはあとで」





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