彼女志願!

「何を読んでいるんです?」

「――アキの新刊です」

「なるほど」



彼はうなずきながら、私の上半身を抱き寄せる。


同じボディソープと同じシャンプーを使っているはずなのに

なぜか穂積さんからはすごくいい匂いがする。


あと、歯磨き粉の香りも近くて……

って。



「穂積さん」

「ん?」

「あの……手……」



本を読む私の脇の下から、穂積さんの手が私のウエストに回っていた。




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