彼女志願!
なんだかくすぐったいし、さっきのお酒を口移しされたのも、恥ずかしくてまともに穂積さんの顔を見られないって言うのに。
「そういうふうに抱っこされると、本、読みづらいです……」
「まぁ、そうでしょうね。読ませる気ありませんから」
穂積さんは、うつむく私の足の下に腕を差し入れて、ひょいと立ち上がる。
「きゃあっ!」
あやうくバランスを崩しそうになって、とっさに彼の体にしがみつく私。
「ななな、なんですか!?」
「――ベッドに行きましょう。ゴムもあるし」
あるしって……!
「ああああ、ありますけど、その、」