彼女志願!
「それって、あれですか? たとえば、悪いことしても警察に捕まらないとかアハハハハ!」
「――」
なのに穂積さんはくすりとも笑わない。
それどころか痛いほどの沈黙がチクチクと肌を刺す始末。
「――えっと……」
どうしよう。
何を言っていいものか迷っていると、
「ええ。そうですよ。あの島の中であれば100パーセントつかまらないし、島の外でもたいていのことは揉み消せる」
穂積さんは真面目な声でそう言い、またため息をついた。
「田舎の地主になぜそんな力が?と思うでしょう。ですが、事実です。まったくもって、気持ち悪い家なんです。あそこにい続けたらバカになること確実です」