彼女志願!
そしてニーナが私を連れて来たのは――
島の中心から少し離れた、周囲を畑に囲まれた一軒の日本家屋だった。
「静かなところね……」
「隣の家まで数百メートルだからな」
船で神楽島についたときは、静かなところだなぁ、と思ったけれど。
ここはもっと、圧倒的に静かだった。
数百メートル隣にしか人がいないなんて、不思議……。
狭い場所に人がひしめき合っている東京とは大違いだ。
すでに時間は夕方を過ぎ、遠くに見える山の端がオレンジ色に染まっている。
あそこまで日が落ちたら、あとは駆け足で夜の帳が下りてくるんだろう。