彼女志願!

メイクを終え、別室で用意していたドレスに着替える。


そして、同じお店で買ったヒールの靴(もちろん低め)を履いて、同じようにドレスアップしたアキの待つVIPルームへと戻ると


「あらあら、想像以上にいいじゃなーい!」


と、スタッフさんと一緒にすごい拍手で迎えられた。



ピンクベージュの、少し光沢のあるノースリーブワンピースは、すとん、とした形で、膝が少し出るくらい。

同系色の靴も、ストッキングも、お店のひとに進められるがまま買ったものなので、悪くないはず、という私の思惑はとりあえず正しかったみたいだ。


あとは、イミテーションパールの挟むタイプのイヤリングをつけて出来上がり。



「うんうん、かわいい。可憐な子鹿みたいよ」



満足げなアキと、タクシーに乗り込んで会場になる、都内の老舗ホテルへと向かう。



「ほづみん、きっとびっくりする」

「そうかなぁ……」

「そうだって!」



アキはしきりにきれいになったと言ってくれたけれど、私はそれほどテンションが上がらなかった。



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