彼女志願!

「いえ……実はストッキングが破れてしまって……それで……」

「――そうですか」

「はい」



シン、と静かになって。

とりあえず、なんの涙かわからない、目の端に浮かんだままの涙を指で拭う。



「そこに、他に人はいますか」

「いません」

「では、失礼します」

「えっ!?」



人がいないとはいえ、女性が使うパウダールームなのに。

穂積さんは本当に中に入ってきた。



「ほ、穂積さんっ?」

「やっぱり泣いてますね」

「――!!!」



慌てて、うつむき目を反らそうとしたら、近づいてきた穂積さんにあご先を持ち上げられる。




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