彼女志願!

何もなかったと思えないのは私が女だから?



「――失礼」



彼は、自分の腕にしがみついているユズさんの手をつかみ、離す。


そしてなぜか、隠れているはずの私のほうに数歩近づいてきた。



ヤバい、隠れろーーー!!!!



慌てて持っていた文庫本を顔の前に広げなおす、と。



「モエ、来なさい」

「――!!!!!」



頭上から厳しい声が響く。


硬直したまま動けない私。



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