彼女志願!
立ち上がって、強張った表情のユズさんに頭を下げると同時に、穂積さんが私の肩を抱き寄せた。
「わっ!?」
驚いて顔を上げると、彼の大きな手が最近少し伸びてきた髪をすく。
まるで愛おしむような仕草に、てっきりメチャクチャ怒られるだろうと覚悟していた私、拍子抜けしてしまった。
「――ユズ。僕には何よりも大事なものがある」
「ソレが、そうだっていうの?」
彼女の声色からは、侮蔑の色がにじんでいる。
ユズさんの言う『ソレ』が、私だってことにはすぐに気づいた。
「おかしいわよ……なんで、その子なの? どこにでもいるような女じゃない。頭もよくないし、バカみたい。あなたはもっと上等で賢い女しか相手にしないと思ってたわ」